ひろしまミュージックセッション

村上農園Presents

Academy & Competition次世代指揮者アカデミー&
コンクール

事前審査を通過した国内外の若手指揮者14名が、広島で音楽と平和について学び交流し、挑んだコンクール。一次予選、二次予選、本選 ファイナルコンサートを行い、以下の方々が受賞されました。受賞者のコメント、下野審査委員長の総評を掲載します。
次世代指揮者アカデミー&コンクールのダイジェスト映像は、公式YouTubeで公開しています。

公式YouTubeはこちら

次世代指揮者コンクール本選
ファイナルコンサートの結果発表

大井駿
第1位 大井 駿受賞コメント

ロマン レシェキン
第2位 ロマン レシェキン受賞コメント
ロマン レシェキン
ロマン レシェキン

喜古 恵理香
第3位 喜古 恵理香受賞コメント
喜古 恵理香
喜古 恵理香

細川賞:
課題曲「オーケストラのための開花Ⅱ」の作曲者、細川俊夫氏より贈られた賞
受賞者:
大井 駿
オーケストラ賞:
本選演奏団体の広島交響楽団員の投票により贈られた賞
受賞者:
喜古 恵理香
聴衆賞:
本選来場者の投票により贈られた賞
受賞者:
喜古 恵理香

下野 竜也(シモノ タツヤ)

©️Naoya_Yamaguchi

「次世代指揮者コンクールを終えて」

ひろしま国際文化祭 音楽部門プロデューサー
次世代指揮者アカデミー&コンクール審査委員長 下野 竜也
 次世代指揮者コンクールが多くの皆様のご支援のもと、無事に終了する事が出来ました。心から感謝申し上げます。
 輝かしい才能を広島から世界に紹介出来ます事、とても嬉しく思います。世界中から集まった若き才能ある指揮者達は、それぞれひたむきに課題と向き合っていました。
 平和記念式典への参加も、コンクールに付随した行事としてではなく、音楽を奏でる事の意義や、こうして音楽を奏でる事ができる環境にいる幸せをそれぞれが感じ、考えてくれたと思います。

 コンクールはいわば戦いの場であり、勝者敗者と分かれてしまう厳しさも伴います。しかし、今回、入賞した人をほかの参加者達が笑顔で讃えている姿に胸を打たれました。自分の経験からも、コンクールで優勝出来た経験よりも落ちた事で学ぶ事の方が多かったと思います。本選に進めなかったみなさんには、諦めずに前に歩んで欲しいと思います。

 指揮者は脚光を浴びる事が一見多く、そしてそれが当然の様になってしまう、勘違いをしがちな仕事であると、いつも自分に言い聞かせています。多くの人に支えられ、助けられて指揮台に立っている事を忘れずに、これからの音楽家人生を歩んで欲しいと思います。
 今回のコンクールを運営、サポートして下さった多くのスタッフの皆さん、毎回、真摯に演奏をして下さった演奏家の皆さん、公正かつ厳正に、そして若き才能への深い愛情を持って審査をして下さった先生方にも感謝申し上げます。

前列左から、郷原 和哉様(フマキラー株式会社管理本部長)、村上 清貴様(株式会社村上農園社長)、入賞者のレシェキン、大井、喜古の3氏、松井 一實市長(実行委員会名誉会長)、東谷 法文様(広島交響楽協会理事長)
後列は審査員。左から片山 杜秀、四方 恭子、下野 竜也、沼尻 竜典、細川 俊夫の各氏

 はじめに、次世代指揮者コンクールの開催にあたって、⻑らくサポートくださった事務局やスポンサーの⽅々、コンクールの創設に尽⼒された下野⻯也⾳楽総監督をはじめとした審査員の先⽣⽅、そして素晴らしい演奏を披露してくださったひろしま国際平和⽂化祭オーケストラ、広島ウインドオーケストラ、広島交響楽団の皆様に⼼からの感謝を申し上げます。
 この度、このような栄誉ある賞を受賞することができ、⼤変嬉しく思うと同時に、背筋が伸びる思いです。下野総監督もおっしゃいましたが、「平和であるからこそ⾳楽ができることを忘れてはならない」ことを平和記念式典などのプログラムを通し、この広島で学びました。この想いは課題曲からも強く伝わってきました。
 この体験や経験を糧に、⾳楽をはじめとした⽂化芸術やそれらに携わる⽅々に対するリスペクトの想いを常に⼼に留め、平和を願う⼀⼈の⼈間としてその発展に少しでも貢献できるよう邁進していく所存です。

 指揮者として初めてのコンクールで、2位を受賞できたことは、信じられないほど幸運であり、感謝しています。母国・フランスからとても遠いところだったので、どうなることかと不安もありました。しかし、最終的にはすべて順調にいき、美しいパフォーマンスに仕上がりました。
 コンクールのスタッフは本当に親切で、一緒に演奏をした音楽家たちも素晴らしかったです。参加した指揮者の仲間たちはみんな刺激的なアーティストで、良い友人ができて嬉しく思います。
 原爆投下から77年の歳月を経て、広島はなんと美しく、心優しい都市に成長したことでしょう。この街と、そこに住む人々に惚れ込んでしまいました。この体験は私の心にずっと残り続けることでしょう。そして、広島に必ずまた戻ってきます。何度でも訪れたい場所になりました。

 この度は、次世代指揮者コンクールに参加させて頂きありがとうございました。従来のコンクールとは違い、平和の発信地である広島に降り立ち、下野竜也先生のもと、同世代の指揮者たちと切磋琢磨して学べたことは、私の指揮者としてのこれからに大きく影響する経験となりました。
 昨今、平和について考えることが多くなりました。平和記念式典や被爆者の方の講演を通して、平和な世界を実現することは簡単ではない、だからこそ諦めずに願い続けることが大事だと感じました。音楽で平和にするのは難しいかもしれない、けれど音楽は希望だと思っています。その希望が人々の心に宿って大きな風になればと思い、コンクールの指揮台に立ちました。
 3位入賞、聴衆賞、オーケストラ賞を頂いたことは私の誇りです。このコンクールに関わってくださった皆様、本当にありがとうございました。これからも頑張ります。